やりたいことをやれ 本田宗一郎 書籍レビュー

やりたいことをやれ~本田宗一郎~kou'sレビュー Kou’s特選!おすすめ本
著者/本田宗一郎 発行者/江口克彦 発行所/PHP研究所

やりたいことをやるために

タイトルに惹かれ、思わず手に取って見開いた本書こそは、あの本田技研工業「ホンダ」の創業者の本田宗一郎氏による、240篇に及ぶ自叙伝とも言える短編集です。
経営者であるも技術者としての目線で経営観、仕事観、人生観を己の経験を基に短編形式で記述されています。
1ページごとの短編形式ですので、すき間時間でも手軽に読みやすい印象です。
ここからは、特に印象に残ったエピソードを紹介していきます。

ミクロンを感じる

手を見ればその人の職業や経歴が分かる。手相を見て未来を占ったりしているけど未来のことはともかく、手相を見れば過去は当たると思う。 私の場合なんかも、右手でずっと平面をさすっていると、ミクロン(千文の一ミリ)の凹凸までわかる。右手のこの感覚は終生変わらないでしょう。

kou
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技術屋?職人?とも思えるエピソードです。
本田宗一郎氏は、自転車での買い出しに難儀をしていた妻に「自転車にエンジンをつけたら買い出しが楽になるのではないか」と、本当に妻の自転車に自転車に小型のエンジンを載せたらそれが人々の間で好評となり、注文が殺到、この経緯からオートバイ研究が始まったというエピソードは有名です。

他人にものを聞く心

私など自分の知っていることはあまりにも貧弱だと感じているから、人にものを聞くことが平気である。だから、知恵がどんどん入ってくるわけだ。若い従業員にも、「おい、これはどうなってるんだ」と謙虚な気持ちできくことができる。そういう態度に対しては、誰もが喜んで知恵を貸してくれるものである。

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この一篇では、人に相対する姿勢として、謙虚で素直であることの大切さを説いています。
確かに、高慢な態度の人に対して協力しようなどとは思えませんし、ましてや知恵やアイディアを提供しようなどという心境には到底なれません。
常に自省し、謙虚な気持ちである人には是非協力したくなりますし、お互いに教え合うことになるので、それぞれに得られるものも結果多くあるのだと考えます。

通知表のハンコ

宗一郎が少年の頃、通知表の成績がどうも芳しくないが、親に見せて確認の「本田」の印をもらわなければならないのだが、とても見せられられない。 そこで、親の確認証明のための「本田」の印を、自転車のタイヤから削りだして自作し押したところ、この話を聞きつけた多くの友達から、我も我もと注文が殺到した。

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本田宗一郎氏は、少年時代から早くも、技術者としての片鱗をみせていたのですね。
成績の悪さを親に知られないようにと、ハンコを作ってしまえと、実際に行動してしまうところも破天荒で、その人柄がよくわかるエピソードです。
常識に囚われず、アイディアをカタチにしていく行動力は、大変参考になるのではないでしょうか?
ちょっと、くすっと笑わせるようないたずら心のある一篇です。

時間はすべての命である

誰にも平等に与えられている一日24時間という限られた時間からいかにして自由にできる時間を多く獲得するかというのが現代のテーマであり、幾多の優れた製品の開発も結局このためである。 ゆえに寸秒の時間もおろそかにしてはならず、寸秒の時間が偉大な価値を左右するほど現代生活はこうした時間との関連をもって組み立てられている。 現代では時は金以上、すべての命だ。

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誰しも、平等に1日24時間を与えられており、限りある人生という時間をいかに効率的に使って生きるかは、普遍的なテーマであると僕自身も常に意識しています。
時間は人生そのものであって、決して無駄に過ごしてはならないと切に思います。
世の中は誘惑も多く、やもすれば、流され、怠惰に過ごしてしまいそうになる毎日を、人々が主体的に行動することで、それぞれの人生を深く彩り、より豊かな生きる時間にしていけるのだと考えています。

イエスマンになるな!

上司の指示でも、正しいかどうか見極め、反対すべきは反対する心構えを持ち、大衆に媚びず非難を受けるようなことはしないこと。 経営者もイエスマンばかりを集めて権威をふるうのではなく、若い人に期待して用いれば、ひいては国家の存続のためにもなろうということである。

kou
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社会人として生きていくようになると、様々な理不尽さに困惑したり、悩んだりすることが多くあります。
社会人としてのルールを順守することはとても大切ですが、「良いことは良い」、「悪いことは悪い」と自信を持って表現できる人生を歩みたいと考えます。
常に勉強することを惜しまず、自分の中に一つの軸や信念を持つことで、強く、かつ、しなやかに生きていけるのだと解釈しました。
自分らしい人生を歩むためにも、この一篇はこれからも脳裏に刻み込んでおこうと思います。

失敗を恐れるな

何かやろうと思って失敗するより、じっとしていたほうが賢明だという考え方が日本人にはしみついていて、「ロスでしかない失敗」、「向上の芽生えである失敗」を区別する合理的な見識がない。 失敗による嘲笑と非難を極端に恐れ「ことなかれ主義」に縮こまっている日本人からはこんな無気力な考えは追放しなければならない。 どだい、失敗を恐れ、何もしない人間は最低である。

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「失敗は成功の神」「失敗は成功の糧」という言葉もありますが、この一篇はまさにこの意を突いていると思います。
夢やチャレンジ精神はあっても、憶して不安になり結局行動できない、一歩を踏み出すことができない人達は、非常に多いのではないでしょうか?
「本当に自分にはできるのだろうか?」
「こんなことをして大丈夫だろうか?」
「周りの人達に笑われるのではないか?」
などと、失敗を恐れ、自分の行動に制限をかけてしまう人達は本当に多いと感じます。

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「親や、友人、上司に相談してからにしよう・・・」
「準備万端になってから考えよう・・・」
理由をつけて先延ばしにしたり、ましてや他人の目を気にしているうちは、まだまだ本気ではく、そのタイミングにもなっていないのでしょう。
他人に相談すれば、ほぼ間違いなく止められますし、先延ばしにすれば時間は無常に過ぎ去ります。

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結果は行動してみないと分からないし、望む結果にならなかったとしても、行動した経験はマイナスにはならないと自分は考えます。
やりたいことや、夢があるのなら、即、行動しよう!
とても強烈に心に残った一篇です。

本書を読み終えて kou’s書籍レビュー

創業者であり、経営者であり、根っからの職人気質の技術者であった本田宗一郎氏の人柄や数多くあるエピソードは、氏の生きた時代から年月を経た現代においても色あせず、現代社会へのアンチテーゼとしてのメッセージが本書には満載です。

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仕事・家庭・学校・人間関係・・・様々な悩みを抱えた人達にはもちろん、「人生を変えたい」と願うすべての人達に是非読んで頂きたいおすすめの一冊です

やりたいことをやれ~本田宗一郎~kou'sレビュー
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