「お金」「お金」・・・人はお金のことを毎日考えます。
私たちはなぜ「お金」を求めるのでしょうか。
生活のため?欲しいものを手に入れるため?贅沢をしたいから?
その行動の動機は人それぞれでしょう。
そこにあるのは、お金を稼ぐことによって得ることができるものや体験に価値を求めるからなのではないでしょうか。
本書の巻頭では、「人がお金で手に入れたいこと」として、10項目の動機を記しています。
❶安心・安全人を雇って、家事を任せられたり、ためらうことなく医療機関にかかれる金銭的余裕。
❸贅沢を楽しむ
海外旅行やレストランでの食事を定期的に楽しんだり、洋服やアクセサリーでおしゃれを楽しめる。
❹快適な移動
飛行機、船や鉄道での一等客室の利用、運転手付きの車などの快適な移動手段の利用。
❺ステータス
会員制度などの特別待遇を受けられたり、有名人や要人と知り合う機会が日常としてある。
❻影響力・権力
価値観の合う活動や団体を応援できたり、自分の意見や希望が重要視される。
❼自由
時間的、経済的自由。
他人や、権力に振り回されることなく、人生を自分で意思決定できること。
❽時間の余裕
好きなときに好きなことが自分の意思決定でできること。
❾人気・評判
他人から評価され、頼りにされる。
➓社会貢献
自分の価値観に合う社会活動や慈善団体、慈善活動を応援できる。
この10項目に共通するのは、金銭的余裕、時間的余裕、心の余裕、そしてある程度のお金が必要だということが見えてきます。

お金の歴史をさかのぼっていっても、もともと古代の人々は狩猟などで得た獲物を交換しあう、「物々交換」が始まりといわれています。
次第に、欲しいものと、米や布、塩などを代替え品として交換し合う、「物品貨幣」とよばれる手段を用いるようになりました。
お金というものは願望や欲求を叶えるための手段、道具であり、お金を手に入れること自体を生きる目標にしはいけないということが理解できてきます。
本書は、より多くのお金を手に入れるためのルールとして、「人がお金で手に入れたいこと」の10項目を身に付けることを目的としています。
それは、「お金持ちの考え方」を身に付けることでもあります。
「お金持ち」と、自分との思考や行動には、どのような違いがあるのでしょう。
そのような視点で読みすすめると理解度が深まりますし、その行動はすでに「お金持ち」への第一歩を踏み出していることとなるでしょう。
リチャード・テンプラー(Richard Templar)
旅行代理店、スーパーマーケットチェーン、レストラン、カジノ、大学自治会など、幅広い分野で30年を超えるマネージャー経験を持つ。
2003年に出版社White Ladder Press を創設。わずか4年で「イギリスで最も成功した出版社」と呼ばれるまでに育て上げた。
『Rulesシリーズ』は50言語で翻訳されるベストセラーとなっている。
“本書 The Rules of Money より”
以下より、本書を読んで特に印象強かった「より多くのお金を手に入れるためのルール」を自己コメントとともに紹介させていただきます。
できる人のお金の増やし方 抜粋&レビュー
お金を見ない。問題の本質を見る
お金があるからといって、すべての問題が解決するわけではない。
お金があれば人間関係がうまくいくわけではない。
お金があれば病気にならないわけでもない。
たしかに、お金でいい医療を受けられるかもしれないが、病気になるのを避けることはできない。
お金があればよりよい食事を食べることができる。しかし現在、世界の先進国の健康状態はひどいことになっている。
つまり、お金があれば健康になれるというわけでもない。
日々、毎日考えることの一つに「お金」が必ずあるのではないでしょうか。
お金のために働き、お金のために生きてはいないでしょうか。
いつしかお金こそが、働く目的になってはいないでしょうか。
おそらく、お金は命の次に大切なもので、生きていくにも必要なものであることは間違いありません。
「お金さえあれば・・・」の強烈な思いがあってもどうにもならないものも、この世には数多くあるのではないでしょうか。
人や動物の寿命などは、世界中の富をかき集めても避けられないものの一つかもしれません。
ここで言う本質とは、問題の解決策を考えるということです。
その問題はお金で解決可能なのでしょうか。
お金が必要なら、どれだけのお金を用意しなければいけないのかを考えるということです。
お金は物事を円滑にすすめるための潤滑剤であり、人の強い意志が先行してこそ問題解決の糸口となり、その助っ人として、お金は大いに潤滑剤としての役目を果たすのではないでしょうか。

リスクへの態度を決める
どの程度のリスクを取るかを決めるのは、あなた自身だ。
リスクの取り方については、あなたが自分で決めるしかない。
一発当たれば大金、外れたときの損失も莫大―――
そんなリスクを取るスリリングな投資には魅力を感じる。
リスクを取るなら、リスクへの対処策も忘れないように。
日常にリスクは常についてまわっています。
例えば、学校や仕事へ出かけるにも事故に遭遇するリスクがあります。
また、試験や仕事で失敗するかもしれないリスクもあります。
普段の生活の中でも風邪などの目に見えないウィルスに感染するリスクがあるでしょう。
そもそも生きることは、死のリスクを背負っているとも言えるのではないでしょうか。
それでも生きていれば、楽しいこともありますし、試験や仕事でも大成功したときの喜びは何ものにも代えられません。
お金についても、リスクのとり方次第でそのリターンも変化します。
大金を得たいのであればそれに見合うリスクを負わなければなりません。
リスクを恐れていてはリターンも当然、望めないでしょう。
ここでのルールは身の丈に合うリスクを計算してとっていくということです。
年齢、家族構成、収入、資産、人それぞれ異なります。
立場、状況に応じて、それ相応のリスクをとる生き方を決断しましょう。
とろうとするリスクに対して、デメリットは許容範囲であるものなのかを考えます。
最悪のシナリオを想定したうえで、リスクに対して打てるだけの手を打っておきます。
リスクをとらなければ、リターンは望めないことは前述したとおりですが、だからこそ人は熟考し、リスクの先にある成功を夢見てチャレンジできます。
リスクをとり、チャレンジしている人は、自分の人生を生きている人だと考えます。

もう一つの新しい収入源を作る
お金を増やす最高の戦略は、そもそもの収入を増やすことだ。
自分の収入について見直し、収入源を増やす方法を考えてみよう。
これは大道芸人の働き方に似ているとも言えるかもしれない。
彼らは、ある場所で稼げないようなら、荷物をまとめてもっと稼げる他の場所へ移動する。
あなたの場合は、他の場所へ行くのではなく、もう一人の自分を作るのだ。
そして、二つの場所で同時に芸を披露する。
帽子の数が多くなれば、入ってくる小銭の額は多くなる。
今の収入に満足していなければ、収入を増やすための行動を起こすしかありません。
収入を増やすための手段として、転職、副業、投資などがあります。
転職して給料アップを狙う方法もありますが、昨今ではサラリーマンの給料アップはとうてい望めないご時世であることは言うまでもありません。
一つ目の方法としては、資産を投資に回して家賃収入や株・為替の売買益を得たりする「お金に仕事をさせる」方法をとるということです。
投資は「お金に働いてもらう」方法なので、自分は労働する必要はほとんどありません。
しかしリターンのチャンスを得ると同時に、資産が目減りするかもしれないというリスクが隣り合わせとなります。
投資は労働する必要はほとんどありませんが、常日頃から情報収集として、経済の勉強をしたりする努力はかかせないでしょう。
二つ目の方法は、もう一人の自分を作るということを提案しています。
本業の他にフリーとして働き、収入を得ることはできないかを考えます。
まったく違う分野や業界で働くなどして自分の持つスキルを活かす方法です。
二つ目の方法のメリットは、収入アップはもちろん、異業種や業界に触れることで新たなスキルと、多角的な視野が身に付くというメリットがあります。
もちろん、会社規定や労働環境によるものが人それぞれなので、個々に無理のない方法を取り入れていければと考えます。
いずれにせよ行動しなければ、現状はこれからも一切変えることはできないということはまぎれもない現実です。

お金のための時間を決める
お金持ちになるのも大切だが、人生には他にも大切なことがある。
これまで私が観察したところ、お金と人生の幸せを両立している人は、次の四つの原則に従っていた。
①目標を決めたらすぐに始める。
②一度決めたら目標を変えない。
③お金の計画にあてる時間を決めている。
④その時間以外は、お金のことは忘れて人生を楽しむ。
「今やっているこれが終わったら・・・」
「勉強してから始めよう・・・」
「タイミングがやってきたら・・・」
などなど、やらない理由を挙げ連ねる人がほとんどです。
こういう人は間違いなく永遠に始めるタイミングはやってきません。
気がつくと歳をとり、人生が終わります。
歯磨きは毎朝あたりまえに行う習慣です。
歯みがきをしないで、学校や仕事に出かければ、口もとが一日中気持ち悪くなります。
それは歯みがきが、毎日の「習慣」となっているからです。
お金持ちになることを決めるのであれば、お金持ちになるための行動を「習慣」とすることです。
未来のお金になるであろうことを考え行動する時間を決め、習慣を持つことで着実にお金を引き寄せる思考となるはずです。
習慣づくりには、まず一日のスケジュールに組み込むことが有効です。
自分の生活サイクルに応じて、お金のことを考え行動する時間をスケジュールします。
決めたスケジュールを繰り返すことで、その行動はやがて習慣となります。
あるとき、決めた時間を確保できなかったり、サボってしまったときに妙な罪悪感を感じたら、それは行動が見事に「習慣」となっている証拠となります。
とりあえずは、「習慣化」できるまでが勝負となります。

年齢を理由にあきらめない
「20代から貯金しておけばよかった。今からでは遅すぎる」などと言う人がいる。
人はすぐにあきらめる理由を探すものだ。
しかし、変えたいことがあるなら、いつでも変えることができる。
お金についてもそうだ。
必要なことを一つだけあげるなら、それは「お金を増やす」と決意することだ。
行動しなければならないのは言うまでもないことだが、意識の方向を変えるだけで、人生の車輪は勝手にそちらに向かって動き出すものだ。
意識を変えるだとか、決意だとかと聞くと、スピリチュアルや根性論ともとれなくもありません。
しかし、そもそも人は感情で生きる動物です。
現代の便利な乗り物や、近代的な建造物による豊かな暮らしも、「もっと便利に」「もっと暮らしやすく」と願う、古の人々の情熱から生まれたものと言えます。
今ある自分をとりまく状況は、すべて自分自身の思考が現実化しているものです。
「こうなりたい」との願望があるなら、未来の自分は「こうなる」と決めることです。
過去を悔やんでもなにも始まりません。
今日が一番若い日です!決意と同時に行動に移すのみです!
ケンタッキーフライドチキンの創業者、カーネル・サンダースが創業に挑んだのも65歳の頃といわれるエピソードは多くの人に知られるところです。
職を転々とし、決して順境とはいえない不遇や逆境にも諦めることなく、フライドチキンをワゴン車に積んで各地を回り、フランチャイズビジネスの普及に努めます。
1960年には米国とカナダで400店舗、1964年までに600店舗を超えるフランチャイズ網を築き上げました。(Wikipediaより)

本書を読み終えて kou’s書籍レビュー
「お金」というものは、願望を叶えるためのツール(道具)であると改めて理解できました。
貯金が生きがいのようにしている人も多くみかけます。
確かに貯金通帳の金額が増えていくのは一見、気分のいいものです。
しかし現在の銀行の金利はほとんど付かず、増えることもないお金を銀行という名の金庫に入れているだけにすぎません。
お金に対する価値観は人それぞれで、その運用の仕方もそれぞれであっていいと考えますが、私たち日本人は、お金に対する教育を受けることなく社会へ出てしまっています。
そこに気づき、危機感を持った人は自分自身で勉強するほかありません。
社会の2極化が叫ばれる昨今において、本書「The Rules of Money」によって、多くの人がお金の知識を高め、うまく活用するためのマネーリテラシーの教科書として活用されればと考えます。

「アメリカに行きたい」と願うだけではアメリカに到達することはありません。
アメリカに到達できるにはどういう方法があるのかを考え行動します。
船?飛行機?気球?
お金はどれくらい用意すればいいのか?
所要時間はどれくらいか?
具体的になればなるほど、だんだんと現実味が増してきます。
アメリカは今、寒いのかな?暑いのかな?
食べ物や水は口に合うかな?
滞在時間や日数はどれくらいになりそうかな?
英語は勉強しておいた方がいいかな?
決めてしまうとよりリアルになり、ワクワク感しかありません。
さあ!あとは荷物をまとめて旅立つのみです!
★この記事を書いた人★
kou&バニ
「本」こそが人生の師「KOU」と「バニ」です!
本を読み、先人の知恵や思考・生き方に触れることは、現代人にとっても良き人生をつむぐためのエッセンスとなりえます。
これまでも読書をするなかでは、多くの気づきと勇気を授かりました。
その数多くの「気づき」のひとつひとつは、血となり肉となり生き方を変えます。
書籍をもとに、人生をより良く変える思考を読み解きます。
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