「卒サラの教科書」書籍から読み解く会社の給料だけで不安な時代を生き抜く思考と行動5選

卒サラの教科書 kou's書籍レビュー Kou’s特選!おすすめ本

「人生100年時代」と言われる昨今、古くからあたりまえとされてきた常識が変わりつつあります。

働き方改革から始まり、特に「新型コロナウィルス」の流行を機に、一般企業においてもテレワークの普及により、人の思考や行動に対して変革を求める時代がやって来ているといえます。

「いい大学を出て、いい会社に入り、定年まで勤めあげ、退職金で老後は悠々自適ゆうゆうじてき

こんな常識をもし持っていたらかなり危険な状態です。

時代は移り変わり、目に見える物質的なものに価値を置く「の時代」から、目に見えないもの(情報・体験)などに価値を見出す「かぜの時代」となりました。

時代の大転換期にあって、しばらくは地の時代の考え方と風の時代の考え方が交錯こうさくし、旧価値観と新しい価値観が激しくぶつかり合う期間となります。

会社組織などで機能する役職や地位は今後、重要視されなくなっていき、個人の持つ技術や能力によるものが影響力を持つようになってくるでしょう。

旧態然とした価値観や体制がいまだ多くの環境を支配する世の中をどう生きていけばいいのでしょうか。

その生き方のヒントとなりうる書籍を紹介します。

著者/木村拓也(きむらたくや)
◎株式会社NEXT代表取締役。
◎一部上場企業でSEとして28年間勤務。41歳の頃に身体を壊したことをきっかけに、サラリーマンとしての収入だけに頼る人生に不安を覚え、不動産投資に興味を持つ。そこから独学でキムラ式不動産投資法を編み出し、サラリーマンを続けながら5億円の資産を構築。49歳の頃には不動産収入だけで年間1000万円を突破し51歳で脱サラを果たす。
◎現在は合計50棟保有の不動産投資仲間12名と国内最大規模の不動産コミュニティを運営。自身の経験を元に、不動産投資ノウハウや、脱サラするための方法などを発信し続ける。

社会と働き方の変化

記憶に新しい、新型コロナウィルスの感染拡大により世界は一変し、そして私たちの生き方にも多くの課題を突き付けました。

しかし過去の歴史においてもこのような危機的状況から学ぶように、働き方、仕事に対する価値観が多様化する時代へと突入しつつ、常に変革をとげてきています。

世界的金融危機「リーマンショック」時、日本の多くの企業においても経済的打撃を受け、雇用にも影響が出ました。

リーマンショック
アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが2008年9月15日に経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象を総括的に呼ぶ日本における通称である。
日経平均株価も大暴落を起こし、9月12日(金曜日)の終値は12,214円だったが、10月28日には一時は6,000円台(6,994.90円)まで下落し、1982年(昭和57年)10月以来、26年ぶりの安値を記録した。

Wikipedia

リーマンショックを機に、当時の非正規雇用者の雇止やといどめ、新入社員の内定取り消し、給料・ボーナスカットなどの措置が多くの企業において行われました。

2016年、日本政府は「働き方改革実行会議」を推進します。

「働き方改革」
働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。

我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。
こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。

厚生労働省ホームページ

2018年日本政府は「一億総括社会」を掲げ、モデル就業規則を改定しました。
これにより、副業が一般的に解禁され、働き方そのものに変革をもたらしました。

平成30年1月、モデル就業規則を改定し、労働者の遵守事項の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」
という規定を削除し、副業・兼業について規定を新設しました。さらに、令和2年9月の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定に伴い、副業・兼業についての記述を改訂しました。(第14章第68条)

厚生労働省ホームページ

卒サラの教科書抜粋&レビュー

副業のすすめ

「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」「時間差出勤」「テレワーク」「ZOOM会議」など、10年前にはすべて存在すらしなかった言葉です。

そして同時に「コロナ解雇」なる言葉はサラリーマンに不安の影を落としました。

このような働き方の変革と同時に先行きの見えない不安感も手伝い、第2の収入源確保のために副業に従事する人も増えてきました。

「仕事、家庭、自分の人生このままでいいのか?」

サラリーマンであるなら、一度は考えたことがあるのではないでしょうか?

コロナショックを機に、これまでの生き方を見直し、転職、起業、副業などの話題にことかくことがない昨今、少しずつ行動されている方もいらっしゃるでしょう。

しかしそこからの一歩を踏み出す際の多くの人の足かせとなるのが、「お金」ではないでしょうか?

人は、より良く生きるための向上心と、ある程度のお金もあることによって、夢や希望を叶えるための選択肢は、グッと広がり生きやすくます。

「卒サラ」の本当の意味

本書「卒サラの教科書」では、会社員としてやるべきことをきっちりこなしながらも、経済的にも自由を手に入れるための準備をするための心構えと、具体的な行動案を紹介しています。

「卒サラ」とは、サラリーマンを「卒業」することであって、「仕事が辛いから、早く辞めたい」だとか、「この仕事から逃げ出したい」という「逃避」を推奨しているのではありません。

サラリーマンであることに不安を覚えるということは、デメリットの方ばかりに目が行っているともいえるのではないでしょうか。

では、サラリーマンのメリットとは何でしょうか?

客観的に答えることができるかどうかが重要です。

例えば―――

●毎月一定額の給料が振り込まれことで、明日の収入の心配をしなくてもいい。

●雇用保険や、各種保険制度により、いざという時には最低限の保証は受けられる。

●各種研修制度、資格取得のための支援制度など、自己負担少なく、もしくは無料で利用できる。

サラリーマンであれば、これらの「あたりまえ」が、サラリーマンでなくなった途端にすべてなくなります。

であるならば、サラリーマン、会社員でいることのメリットを享受しながら、何の不安もなくサラリーマンの「卒業」を迎る準備を整えようというものです。

計画と行動

まずは、自分の未来を強く妄想することから始めましょう。

目の前の現実を変えるための第一歩は理想の自分を想像し、リアルにその空気感や色、感触が感じられるくらい強く妄想することから始めてみることが重要です。

そのために、自分はどのような人生プランを歩みたいのかを明確にしておくことです。

●起業して、経営者として自分の力を試したい。

●経済的な目途がついたタイミングで卒サラして自由な時間を謳歌したい。

●会社を定年まで勤めあげ、以後は金銭面での不安なく長生きしたい。

理想とする人生プランによって、いま取り組むべき行動も違ってくるでしょう。

実現するには、本業とは別のキャッシュエンジンを作ることとあります。

自分に合う副業を探したり、投資についても勉強し実際に行動してみることです。

自分に何がピッタリとはまるかは、実際やってみないと分からないものと心得ましょう。

そして、「卒サラまでの期限」を決めます。

期限をくくることでゴールが明確となり、逆算しての行動内容もイメージしやすくなります。

卒サラの具体的なタイミングとしては以下2項について記述されています。

●本業の収入と比較して判断する。

●経験者(先駆者)に聞いて、アドバイスを受ける。

サラリーマン特権の最大活用

サラリーマンであることのメリットは前述したとおり、給料という安定材料、数多くの福利厚生、これらを利用しない手はないでしょう。

しかし多くのサラリーマンが最大限活用できていないのが現実です。

卒サラまでの期限を決めたら、これらの特権を最大限に活用して自身のスキルアップにつなげましょう。

会社員は毎月給料が安定的に得られることから、信用は絶大なものがあります。

銀行ローンが組みやすかったり、クレジットカードが作りやすかったりというメリットもあります。

サラリーマンであるうちにやっておきたいこと
以下のような項目について詳しく記述されています。

●ローンやクレジットカード契約

●結婚・転職

●福利厚生の活用

サラリーマン思考からの脱却

サラリーマン卒業を目指すのであれば、第一にクリアしなければならない課題でしょう。

会社組織は運営すべてにおいてみんなで決める合議制ごうぎせいが前提としてあり、そして残念ながら、物事を先送りにする体質も多かれ少なかれあります。

そういった体質が染みついてしまうと、自分の行動そのものがサラリーマン思考となり、日常の判断を先送りにしたり、理由をつけて行動するのをも止めてしまったりします。

その根源にあるのは、失敗を恐れる感情です。

組織では失敗の責任を取らされたり、孤立する場面もあるでしょう。

しかし、サラリーマン卒業を志すなら、これらの思考は捨てなければなりません。

そのトレーニングとして―――

ムダな飲み会には行かない。

かつては「ミュニケーション」などと、サラリーマン同志の交流をはかり、日ごろの疲れを労いあう慰労いろうの言葉としてもてはやされていましたが、実際には終始、会社・上司の悪口や仕事の愚痴ぐちで数時間が過ぎていきます。
こういった場に参加し続けると脳がネガティブ思考となり、自分の行動力をも低下させます。
さっさと帰宅するか、副業や、読書、資格取得の勉強など、自分を高める時間を確保すべきです。
また、同じような未来志向のある向上心のある仲間と同じ時間を過ごすことも、お互いがポジティブな影響を受けるので有益ゆうえきな時間となります。

3秒決断を意識し、身に付ける。

「決断を早まってはいけない」「早計に決めて失敗したら?」
などとよくいわれることもありますが、直感と、時間をかけて導き出した結論も結果にさほど影響を与えないという研究結果もあるようです。

そもそも人生は限られています。
大げさかもしれませんが、「明日、死ぬかもしれない」と考えたら、悩んでいる時間がもったいないですし、さらにいえば、悩むことすらムダとも考えられます。
まず直感に従い一歩を踏み出してみて、うまくいかなかったら別の選択を試せばいいのです。
直感の選択も、時間をかけて導き出した選択も、結局のところやってみないと結果は分からないのですから。

「今日は、どの服を着ていこう」などと毎日のように悩んで決めているなんていう経験は誰しもあるはずです。
人は一日に3万回以上の選択と決断を繰り返しているといわれています。
Facebookの創業者マークザッカーバーグや、アップル創業者スティーブ・ジョブズは、毎日同じ色カタチの服を着ているというエピソードは有名です。
それは常に的確な選択をするための決断力を無駄遣いしないための習慣だということです。
それは人目を気にしながら生きるのではなく、自分がどこを目指し、どう生きたいのかをしっかりと持っていることの現れでしょう。

本書を読み終えて kou’s書籍レビュー

昭和から平成、令和と時代は移り変わり、その節目で起きていることは人の考え方や価値観にも確実に変化を与えています。

新卒で入った会社で年功序列に期待し、定年まで勤めあげるといった価値観を否定するつもりはありませんが、これからは、何ものかに依存する生き方に固執する人は、苦境に立たされていくことと考えます。

冒頭でも述べたとおり、目に見える物質的なものに価値を置く「地の時代」から、目に見えないもの(情報・体験)などに価値を見出す「風の時代」へとシフトしています。

これからは、より個人の能力が価値を帯びる時代へと突入していきます。
「風の時代」はその名のとおり、風に乗るように軽やかに生きることが求められますし、そういう身のまかせ方ができる人が、上昇気流に乗ってより高みを目指せるのでしょう。

本書では著者なりに、ひとつの生き方として不動産投資を副業として推奨していますが、投資なり、副業なり、それぞれに自分の興味の湧く分野に身を投じてみれば良いと思いますし、何よりも実際に行動することに価値があります。

行動することによって、自分をとりまく人生の景色が確実に変わってきますし、そこからどんな新しい世界が広がってくるかもわかりません。

サラリーマンである今こそがその利点を活かして、卒サラに向けて新しいことにチャレンジできる絶好のチャンスなのではないでしょうか。

さあ!行動しましょう!

卒サラの教科書 kou's書籍レビュー
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