誰しも生きているなかで、辛いことや悲しいこと、やりきれない悲しく傷つく出来事がやってくることがあります。
ご自身はどうでしょうか?
そんなとき、どのように過ごしていらっしゃいますでしょうか?
本を読んだり、Youtube動画でいやされたり、ときには親しい人に相談したり、人それぞれ様々に解決の糸口を求めていらっしゃることでしょう。
ご自身はどのように自分自身のつらさや悲しみに向かい合っていらっしゃいますか?
世の中順風満帆、順境のうちに過ぎる人生であるならばそれにこしたことはありませんが、ときにそうはいかないのが僕たちの人生でもあります。
そうはいっても、悲観ばかりでもありません。
そのつらく悲しい状況はこの先、未来永劫つづくものではないということです。
1⃣ 明けない夜はない
「夜明けの来ない夜はない」という言葉もあるように、僕たちの生きるこの世界は諸行無常であるということ。
「諸行無常」とは、仏教用語でこの世のすべての物象は無常。「おなじ状態をとどめているものはなにひとつない」という意味でもあります。
どれだけきびしい逆境にあっても、その状況はこの先も延々続くものではないと理解さえできれば、一見ネガティブな逆境でさえも一時のことと考えることもできてきます。

2⃣ 長期視点で考える
中国のことわざで、「人間万事塞翁が馬」ということわざがあります。
ある老人の馬が逃げ出し姿を消してしまい、人々は「不運なことだ」と言うと、老人は「そうとも限らない」と言った。 しばらくすると、逃げ出したはずの老人の馬が雌の馬を連れて帰ってきた。 それを知った人々は、「それは幸運な出来事だ」と言った。 しかし老人は、「そうとも限らない」と言った。 ある日のこと、老人の息子が馬にまたがっていると、振り落とされ足を骨折してしまった。 すると人々は、「これは不運な出来事だ」と言った。 しかし老人は、「そうとも限らない」と言った。 その後、国が戦争状態となり、多くの若者が戦争にかり出され戦死してしまったが、老人の息子は足を怪我していたため兵役をのがれ命が助かった。
一見、ネガティブな出来事も、長い視点で考えればネガティブであるとはいえない。
そのまた逆もしかり。
総じて、逆境にあっても、順境にあっても、目の前の状況に一喜一憂して心を乱すのではなく、目の前に訪れた現実を受け入れ、対処していくところにつらさや悲しみに打ちひしがれることなく、心穏やかに日々を精一杯、前を向いて生きていくことができるのではないでしょうか。
これは「今を生きる」という考え方にあります。

3⃣ 今を意識して生きる
昨今、多くの人々に関心をもたれている「禅」と「マインドフルネス」の考え方にあります。
「マインドフルネス」という言葉と考え方は、心を整え自らと向かい合うもので、まさに日本人が古から継承してきた「禅」の心にあります。
僕たち特に日本人の生活は、意識せずとも「禅」の考え方に多く影響を受けているといっても過言ではありません。
何かをしてもらったときに言う「ありがとう」という言葉もそうです。
「有難し」この世に存在することさえが難しいことであるといった考え方が、この「ありがとう」の言葉にはこめられています。
食事の際、「いただきます」と唱えるのも、僕たちはこの世界の多くの「命」をいただくことによって、生かされていますとの思いがこめられています。
食事をすることによって体内にとりこまれた命そのものが僕たちの体をつくり、さらに命をつないでいくことができます。
このようなあたりまえにある日々の営みこそが「感謝」でもあります。
この「感謝」に気づき、守られていることの「ありがたさ」を心得ておきさえすれば、心乱されるような出来事が起きたとしても、つらさや悲しみに心が支配されるようなことは少なくなってきます。

今を生きればうまくいく
この世のすべての物象は「無常」で、朝の来ない夜は無い。
物事には必ず終わりがやってきます。
そして新たに始まりがやってきます。
僕たちの人生はこの終わりと始まりのサイクルを繰り返しています。
その淡々とした営みのひとつひとつの出来事に対して、僕たちが勝手に「これは不運だ、幸運だ」などと、値付けをしてしまっているようなものではないでしょうか?
幸運な出来事も、不運な出来事も、打ち寄せる波のようなもの。
押しては引く絶え間ないひとつひとつの波の動きにどのように対処するか。
このように考えますと、日々ある心の浮き沈みに対しても、冷静かつ、無邪気に波と戯れる子供のように、軽やかに楽しくやり過ごしていけるのではないでしょうか?
そのような考え方に、僕たちの人生の見え方感じ方が委ねられているともいえます。
「人間万事塞翁が馬」
喜びも悲しみも、繰り返される打ち寄せる波の営み。
つらく悲しく、少々傷ついたときに思い出したい考え方です。

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